■シュナイダー■

 

「シュナイダーじゃないか。何してんだ?こんなトコで。」

「それはこっちの台詞だ。ワカバヤシこそ何をしている?
俺は買い物帰り。」

「俺も買い物帰り…というか、買い物中に店がどんどん閉まりやがった。」

「あぁ、それは当然だな。今日はクリスマスイブ。店も早仕舞いする。」

「!そうなのか…。ひとつ勉強になったな。」

「もしかしてワカバヤシ、ひとりでクリスマス過ごすのか?
それはあんまり賛成できないな。」

「仕方ねーだろー?保護者は仕事で日本帰ってるんだから。」

「……良し。じゃ、夜、花火大会に行こう。迎えに行くから支度して待ってろ。じゃあ、また今夜。」

「え!?オイ!シュナ―――

 

自己完結させると、シュナイダーはさっさと帰ってしまった。

〜〜〜〜見上さんに止められてんだがなー花火大会。

でもシュナイダーが良いッつってんだから、そんな大したコトねーのかも。

よし!行っちまえ!

 

 

―――花火は想像以上に綺麗だった。

 

思わずポカンと口開けて、アホ面をさらしてしまう。

すると、隣のシュナイダーが笑った気配がした。

何だか今夜の奴は上機嫌だ。ちょっとしたことでよく笑う。

迎えに来たシュナイダーの優しい笑顔を、俺は初めて見たように思う。

いつもは仏頂面とはいかないまでも、無表情な奴だからな〜。

うん、何か今日は得した気分だ。

 

花火も終わって、さぁ帰ろうとしたとき。

シュナイダーが俺を家まで送ると言い出した。

うっわー!優しすぎて怖ぇ!!

 

 

…とはさすがに声に出せなかったが、丁重にお断りする。

するとシュナイダーは「来た道、覚えているのか?」と意地悪く笑んだ。

「もちろん!」と言えば、不審げな顔をする。

「…じゃ、帰り道、最初に曲がるのはどっちか分かるか?」

…完全に馬鹿にしてやがんな、コノヤロ。

「当たり前だろ?最初に曲がんのは―――

 

右!! 左!!