■ドイツに残る■


「帰っても仕方ないし、俺、ハンブルグに残ります。」

「そうか…本当にすまないな。戸締り気をつけるんだぞ?
あと、港で行われる花火大会は危険だから、絶対に行くんじゃない。いいな。」

「はい。見上さんこそ無理しないで下さいよ。」

「ハハ、お前に言われたくないな…。じゃ、私はもう行くが、くれぐれも無茶をしないように。
27日には戻ってくるから。」

「はい。いってらっしゃーい。」

 

パタム。

 

…最後の最後まで見上さん心配そうな顔してたな…。

そんなに信用ないのか?俺。

とりあえず、今日は寝よう。

明日は日中練習をして、買い物は夕方でも良いよな。

 

――― 24日 クリスマスイブ ―――

 

―――甘かった。

暗くなってきたらバタバタと店が閉まって、もう買い物どころじゃない。

結局買えたのは、ケーキ一切れだけ。

今日の夕飯はこれだけか…?

パンがまだ残っていたような気もするが、それにしても侘しい食事だ。

切なくなってきた…。

 

「そこに突っ立っているのは、ワカバヤシか?」

 

呆然としている俺にこの言い草。

声の主は…。

 

カルツ シュナイダー