erste Erfahrungen〜夜編〜

 
 

 

「ちょ、ちょっと待て。何すんだ?」

 

オイ、若林、この状態でそう言うか。ちなみに今現在二人ともシャワーを浴び終え、ベッドの上でオレは若林に覆いかぶさっている状態である。恋人の家に泊まりに来ているんだぞ。しかもその家には家族は居ない、二人っきりの状態なんだぞ。付き合い始めて4ヶ月経つ。そろそろもう少し深いお付き合いになっても良いと思う。そのため彼に<おしべとめしべ>から話をしてやり、幾つの子供なんだと突っ込みを入れたいような彼の知識を平均レベルまで引き上げた…はずだ。
なのにそう聞くか。
何するって<ナニ>するに決まってるだろうが。

「本気で言ってるのか。」

ぐっと顔を近づけて聞き返す。その声が若干とがってしまうのは当然のことだと思う。

「分からないから聞いてんだ!」

分からないならそれなりの態度があると思うのだが…。まあ良い。これが若林だ。

「俺達は恋人同士だ。そうだな?」

一目ぼれしてから1年ちょっと。
「好きだ。」と告白すれば笑顔で「オレもだ。信用してるぜ。」とチームメイトとしての好意と受け止められ、「愛している。」と告げれば「大げさだな。」と笑い飛ばされ、キスをすれば「何しやがる!」と殴られ、古今東西の愛の言葉を語り続ければ「ヘディングのし過ぎか?」と心底心配され…オレと若林が恋人となれたのは奇跡はあるという証明だと老けている幼馴染を始めとする回りの連中全てに言われたが、あながち間違いではない。
しかし、今は恋人同士だ。(力説)

「え…、あ〜、う〜。」

強気な態度から一転して赤くなりいつもは逸らすことのない視線を逸らしながら唸っている。
嗚呼、可愛い。
いや、その可愛さに誤魔化され(若林的には無自覚)付き合い始めてから1ヶ月してからようやく手をつなぐことができるという進みの遅さだったことを忘れてはいけない。

「そうだな。」

口調を強めて念を押せば、視線をそらしたまま頷く。よし、自覚はあるようだ。

「恋人として当然の行為である愛の営みをしようというんだ。意味は分かるな?」

回りくどい話は通じないだろうから直球で話を推し進める。

「はあ?愛の営みって?」

直球でも通じなかったか…。

「セックス、性交渉のことだ。想いが通じ合ったのなら次はカラダも繋がりたいものだ。」

しっかり若林の目を見て告げる。更に赤くなりおろおろと視線を彷徨わせ慌てている姿からようやく意味が通じたことが分かる。ここまで言わなければ通じ合わないというのもなかなか辛い。
もっとスマートにムーディにいきたいのだが、次回への課題だな。

「そういうことだ。大人しくオレにつかまっていれば良い。」

反論は聞く気は無い。さっさと口付ける。殴りかかろうとしている手もしっかりと捕まえておくのも重要だ。以前にキスの途中で殴られお互い怪我をしたことがある。

歯の一本一本をなめ上げ舌を絡める。押されつけていた腕の力が抜けていく。ちゅっと音をわざとたてて若林の顔を見る。ぼや〜としている。まだキスに応えるまでいかないけれどこういうのも良い。一つ一つ教えていき、自分好みの体としてゆく。
男のロマンだ。

そっとパジャマのボタンをはずす。ここで正気に戻られて暴れられるのは困るのであくまでも優しくだ。そっと触れた肌は暖かく一気に奪い去りたい気にも大事に可愛がりたい気分にもなる。

優しく撫でるようにでも感じるであろう箇所に刺激を与える。耳をかじるとびくりとカラダがはねた。

「あ…。ちょ、シュナイダー。」

ちっ、正気に戻ったか。とたんに暴れだす。とは言え、いつもより全然力が入っていないから簡単に押さえ込める。本当に嫌がって抵抗しているわけではない気がする。先を進めることにしよう。そう結論を出し、再び口付けようとした。

 

 

 

世界が回った。

 

冗談や比喩表現ではなく、本当に回った。

 

 

 

「何だ今のは!?」

怒鳴りつけながら原因を睨みつける。
原因は転がるようにして部屋の端まで逃げている。
折角脱がしかけたパジャマの前をしっかりとあわせ握り締めている。

 

「若林。」

 

今のオレは間違いなく不穏なオーラが出ていることだろう。その証拠にあの若林が怯えているのだから、ものすごい形相で怒りのオーラを出しまくっているんだろう。

 

「若林。」

 

ゆっくりと近づきながら、声をかける。オレのオーラ+罪悪感からだろう、若林は怯えきっている。

 

 

正直に言おう!

小動物みたいでめちゃめちゃ可愛い。

 

思わず黒いオーラが優しいパステルピンクになりそうだが、ぐっと堪える。

 

「若林。」

 

若林の頬に手を添える。

「何って、柔道の巴投げなんだけど。結構簡単に決まるんだな。知らなかったぜ。それとも柔道のセンスがあるのかな、オレ。いやー、そうだったらどうしよう。でも、そんなセンスがあるよりかサッカーのセンスがあるほうが良いんだけどな。そう思わないか?ああ、お前はサッカーセンスあるものな。でも、いつか絶対にお前のシュートも全部止められるようになるから、覚悟しとけよ。」

一気に喋り捲る。喋り終わった若林を見つめ続けると彷徨わせていた視線を下に落として肩も落としてしょんぼりとしてしまった。お互い話さないでいると静寂が耳に痛い空間になる。これ以上責め続けるのはいくら普段ではありえない若林が見れるとは言うオイシイ状態でも本意ではない。

「ごめんなさい。」

オレが口を開く前にポツリと若林が謝りの言葉を告げる。依然として俯いたままでその声はあまりに頼りなくて心に痛い。頬に添えたままだった手を滑らせ顔を上げさせる。涙がこぼれないのが不思議なくらい潤んだ瞳をしていた。涙を吸い上げるとびっくりして若林がオレを見た。オレも視線を合わせたまま問いかける。

「そんなに嫌だったか?」

投げ飛ばすほどだ、嫌に決まっているだろうが一縷の望みを懸けて訊いてみる。

「分からない。」

「分からない?」

珍しい。白黒はっきりさせたがる奴が分からないなんて。

「だってオレ…、う〜。」

唸ってまた俯いてしまった。

「言ってくれなきゃオレも分からないんだが…。」

肩に手を置いて話しかける。

「だから、その、え〜。」

言葉が続かない。

「あのな、なんていうか、そのな。まだというか、無いというか、その…。」

そういうことか。可愛いな、若林は。片手を移動させる。

「まだ勃ったことが無いのか?」

軽く若林自身を握る。顔だけでなく耳も首筋も真っ赤になった。こくこくと頷き恐る恐る顔を上げた。

「自分で触ったことはあるか?」

ぶんぶんと首を振る。

「目が覚めたら下着が汚れてたことは?」

また首を振る。知識は備えさせたが、本人の体はついてきていないのか。

「…放してくれないか…。」

まだ握ったままだったな。このまま刺激を与えれば反応するとは思うが、間違いなく泣かれるな。啼かすのは望むところだが泣かすのは好ましくない。開放するとほっとしたのが分かった。

「個人差があるからな、気にしなくても良い。」

頭を撫でながら言ってやると、素直に頷く。可愛いな。ロリコン(正確にはショタコン)の気持ちも解る。もちろんオレは若林のみにだが。

「何もしないから一緒に寝よう。」

笑顔で言うと若林も笑顔で頷いてくれた。こうも信用してくれるっていうのは、恋人として男として喜ぶべきかどうか複雑だが、構わない。

まだまだ子供で可愛い恋人を抱きしめて今夜は眠ろう。多少つらいけれども。時間はまだあるから。

 

 

そんな子供がちょっと大人になったのはその日の深夜のこと。

男のロマンは続いていく。

 

 

…続く…

お礼コメンツ

 

いのぽんさまから頂きました、シュナ源お初物語ですv
もーいのぽんさんの書かれる若林くん可愛すぎて可愛すぎて!思わずシュナに乗り移ってしまいそうな自分がちょっと嫌です(苦笑)
パステルピンクのオーラをまとうシュナもちょっと見てみたかったなァなんて思いつつ、何となく想像できたり。
子供な若林くんにメロメロなシュナの様子が伝わってきて、むしろパステルピンクのオーラをまとっているのは私かもしれないと言う噂(爆)
今回、あまりに可愛い描写に挿絵など書かせて頂きましたが、本当、なかったほうが良かった…!!と大後悔です…。
外そうかしら。
ではでは続きをどうぞ〜!