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+ Eifersucht + act:6 SGGK【自覚症状】 |
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出会わなければ、なんて言うな。 |
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「分からない―――では、俺だって、分からない。」
口を開けば「分からない」を連呼する俺に、シュナイダーはイライラしているようだ。 自分の感情が分からないだなんて、本当、どうかしてる。
そうしてどのくらい時が経ったのだろう。
ふいに。
シュナイダーが俺から離れた。
両手を俺の肩に置いたままで、俯いてしまう。
「…………もう、いい。」
かすれた声で吐き出された台詞には、諦めと、自嘲と、怒りが込められているようで。
「忘れてくれて、いい。」
今度はしっかりと視線を合わせて、シュナイダーは言う。 苦しい。
「な、にをだよ……。」
漸くそれだけ呟くと、シュナイダーの瞳が暗く翳ったのが分かった。
「全部だ。」
きっぱりと。 シュナイダーは言い放つ。
「カール・ハインツ・シュナイダーという人間を、お前の記憶から完全に消去してくれ。」
唐突に無理なことを言う。 俺の抗議は、シュナイダーの表情をまた歪ませる。
「……そうか……。なら、気にしなくて、いい。もう、会うことも、ないだろうから。」
シュナイダーが自嘲気味に歪めた唇に乗せた言葉は、また、意味不明だ。
「……会わない。」
なんで。
「次に会ったら、何をするか分からない。傷付けるのは、今回でもう十分だ……。」
そう言って笑ったシュナイダーは今にも消えそうで。 こんなに儚げな微笑を浮かべるなんて。
まだ混乱から抜け出せずにいる俺に構わず、シュナイダーは緩慢な動作で踵を返す。 ―――見向きもしないで。
一瞬。 目の前が真っ暗になって。 次の瞬間。 視界に入ったのは。
困ったようなシュナイダーの顔。
視線を落とせば。 俺は。
しっかりとシュナイダーの腕を掴んでいた。
「……わかばやし。」
ゆっくりと、ため息と共に名前を呼ばれる。 分かっているのは、目頭が異様に熱いことだけ。
「ホント、分かんねぇ…。」
半ば呆然と。 無条件に受け入れることなんて出来ない。 ―――シュナイダーを、傷付けることしかできねぇんだ。
ぱたり。
「わか、ばやし?」 困惑したシュナイダーの声をどこか遠くで聞きながら、俺は自分の頬を熱い物が伝うのを自覚していた。
泣いてる? 俺が?
……何で?
「…ッ!」
途端に恥ずかしくなって、左手でごしごしと目を擦る。
傷付いているのはシュナイダーだ。 泣きたいのも。 怒りたいのも。 辛いのも。 痛いのも。
俺じゃなくて。 シュナイダーなのに。
何で、俺が泣くんだよ……!
「……卑怯だ……ッ!」
絞り出した声は、自分のものとは思えないくらい裏返っていた。
「散々焦らしておきながら」 「引き止めて泣くなんて」 「女々しくて、卑怯で、どうしようもねぇッ!」
叫んだ声の情けなさに、また、涙が伝う。
「…痛いぞ。」
俺が掴んだ左腕が痛むのだと告げるシュナイダーの声は、まだ困惑色。 それは。 それだけは。
―――――― 嫌だ!
「……!」
愕然とした。 嫌? 答えも出せないくせに。 応える勇気もないくせに。 自分から離れるのは許さないと―――そう、彼を縛り続けるつもりなのか。 そうやって、傷付け続けるつもりなのか。 どうして。
行き着く答えは――― ひとつしかない。
「好き……なんだ、きっと……。」
遅い自覚。
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