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ノックアウト! |
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未成年の飲酒は法律で禁じられている。それでも少年の通過儀礼として飲酒はされているものだ。 メンバーはサッカーの申し子、大空翼。その名パートナー、岬太郎。GCに連れてこられた若林源三。 乾杯からしばらく経ってから。
「「若林くん、水飲んでたの?」」
色気もそっけもないミネラルウォーターを飲んでいた若林。
「フランスのビールも美味しいから。」
ニコニコと勧める岬にも。
「やっぱりフランスだもの。ワインのほうが良い?」
こちらもニコニコと勧める翼にも。
「…良いから。オレに気にせずお前達で飲んでくれ。」
と引きつりながら遠慮する若林。
「「若林くん。お酒、ダメなの?」」 「ダメじゃないけど…。」
しぶしぶといった様子で話す。
「…酒癖が悪いらしいんだよ…。」 「「どんな風に?」」 「…覚えてない。」 「どこまでなら覚えてる?」 「そこまで良いから飲もうよ〜。」 「…コップ一杯…。」 「「…それって弱すぎ…。」」 思わず素直に思ったままを口にしてしまったGC。そんな二人に「だから嫌だったんだ。」とむくれる若林。年相応、むしろ幼い。そんな羊は狼を燃え上がらせた。
「「君がどんな酒癖でも気にしないよ!」」
にっこり。 狼は天使の皮を被って微笑み再び勧めだす。
「…いや、でも…。」 「「大丈夫!!」」 「「酒量は訓練だよ。」」 「「例え酒癖が抱きつき魔でもキス魔でも脱ぎ癖でも気にしないから!!」」
「「むしろOK!」」は言わない。
「「君との友情は永遠だよ!!」」 なにもそこまでの説得で若林の心は揺れる。 「でも、みんな『飲むな』って…。」 「「大丈夫!!」」 満面の笑みでビールを注いでしまう。
「「オレ達を信じて!!」」
キラキラと輝く目で見つめる二人に若林は負けた。
こくこく。酒を飲むというより子供がミルクを飲むといった感じで飲み始める。 瞳はとろりと潤み薄紅色の肌、にこやかに笑みを湛え、まさに酔っ払った天使だ。 「もう一杯どお?」 本当に弱いんだなぁ〜。のんびりと考えながらビールを継ぎ足す。その翼を見て一言。
「翼。お前、格好良いなあ。」
赤面する大空翼。 激レアである。
何千何万という観客に褒め称えられようがごく当たり前として受け止め笑顔を返す。それがサッカーの申し子、大空翼。その彼がたった一言で声を無くし、赤面し視線を彷徨わせごく普通の恋する少年と化している。 思わず岬はわが目を疑い眼科の手配をしてしまった。
「意志の強そうな目、格好良いな。」
じっと翼の瞳を見つめる若林。。 「わ、若林くん。」 おろおろと若林を直視できずうろたえる翼。
「自分の夢をまっすぐに語るのも良い。」
翼の動揺を気に留めず誉め続ける。
「あきらめない根性も良い。」 「あったかい手も良いよなあ〜。」
にっこりと翼の手をとり笑いかける。 「お、オレも若林君のこと。す、す、好き!!」 若林くんは誉めてるけど好きだなんて言ってないんだよー!心で絶叫し翼の心配をして精神科の予約をする岬。
「うん、オレも翼のこと好き。」
満面の笑みで返す。その瞬間若林は翼に押し倒された。 「若林くん。オレ、本気で…。」 その続きを言うことは出来なかった。 「プロレスしたがるなんて、子供みたいだな。可愛いvv」 翼の頬を人差し指で突付きながら甘くてハートマークとびまくりな邪気の無い羊に狼は撃沈した。 バスルームに駆け込みしばらく出てこなかった。
岬が出てきたときには翼は膝を抱えてベッドをぼんやりと見ていた。そこで丸くなって寝ている若林。 「翼くん。」 翼の横に座る同じように膝を抱えて座る岬。 「凶悪だよね。」 力なく笑う翼。 「本当だね。」 同じように笑う岬。 「「参ったなあ…。」」 膝に額をつけてぼやくGC。 「ボクね、初めてシュナイダー君を凄いって思ったよ。」 「それはオレもだよ。」 「「あんなにも可愛い若林くんに」」 「手を出せるなんて」 「「うらやましいかも…。」」 他人を羨むなんてことこれまでの2人の短い人生において無かったことだ。 「「あ〜あ。」」 自分の失態を思い出し凹む。若林の記憶に残らないことをただただ祈るばかりだ。
翌日、二日酔いも無くしゃっきりと目覚めた若林は飲んだ次の日には必ず言われてきた言葉を言われることとなった。 「「絶対に絶対にオレ(ボク)の居ないところで飲んだりしたらだめだからね!!」」 いまだ若林は自分の酒癖を知らない…。
…End… |
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お礼コメンツ |
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いのぽんさまに頂きました、GC源vv いのぽんさま、素敵文をありがとうございました〜v |
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