■その辺ぶらぶらする■


久しぶりの南葛市だし、ちょっと散歩でもするか。

大した荷物もなかった俺は、家に入らずそのまま近所を散策することにした。

4か月ちょいじゃそんなに変わっているところもないが、なんとなく空気が変わっている気がする。

全国大会で優勝したのが、随分前のことのようだ。

翼と初めて会ったサッカー場の土手(?)に腰をおろして、感慨にふけっていると、
後ろからどん!と思い切り突き飛ばされた。

何の構えもしていなかった俺は、そのままごろごろと転がってしまう。

「いってぇ…誰だ!」

「あー!やっぱり若林くんだァ!」

悪びれもせずに、満面の笑顔でそんなことを言うのは…。

 

「翼ァ!?」

 

足元にサッカーボールを遊ばせている小柄な人物は、見間違えるはずもない。

大空翼だった。

彼は今俺が転がり落ちた土手を器用に降りてくると、俺の目の前に立ってにっこりと笑う。

「どーしたの?もうサッカー留学終わったの?」

言外に「逃げ帰ってきたの?」というニュアンスを含ませて言う。

コイツは……変わらないな……。

「違う。見上さんが日本に帰るんで、3,4日こっちにいるだけだ。そしたらまたドイツに帰る。」

「ふぅん。ドイツサッカーは面白い?」

「!あぁ!こっちとじゃレベルが違うぜ!この間なんか―――

翼がサッカーの話題を振ってきたので、思わず握り拳付きで熱く語り始めてしまった。

その間も、翼は面白そうに笑ってずっと聞いていてくれる。

時々相槌を打ったり、日本でのコトを話したりして、
夕方遅く翼が家に帰ってしまうまで、話は尽きなかった。

奴に会えただけでも、日本に帰ってきて良かったのかもなァ。

 

〜〜〜 Happy X'mas! 〜〜〜

 

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