Loyalty  

 

 

「貴方にとって、私は必要ですか?」

 

突然問い掛ける。

前後の脈絡のない言葉の羅列は、私にしてはとても珍しいことだったのだけれど、それでも貴方は優しく微笑むのですね。

 

「勿論。私には君が必要だよ。」

 

飾られた言葉などいらないのです。

彩られた美しい世界など欲しくはないのです。

渇望しているのは、貴方のしあわせ。

血塗られた道の先に待つ、貴方の未来。

 

だからどうぞ。

 

私など初めからいないつもりで扱って。

労りなど、ぬくもりなど、必要ないのです。抱き締めてくれる腕も、必要ないのです。

 

私には君が必要だよ。

 

過不足のない言葉の響きは、とても心地好くて。

錯覚を起こしてしまいそうになるけれど。

 

死にません。

―――貴方が目的を果たすまで。

死なせません。

―――私が貴方を守り通しますから。

 

「大佐。」

「なんだね、中尉?」

 

無邪気に尋ね返してくるものだから、飛び出しかけた本音が外にでてしまいそうになる。

いつ切られても良いように、未練など残しません。

いじらしい女のように、過去を振り返って笑ったりしません。

 

今与えられる貴方の微笑みと言葉だけで、私はこれからも生きていくことができるのですから。

 

愛しい人。

 

唯一無二の、寂しい人。

 

癒せたら、なんて途方も無いことを考えるのは随分前にやめました。

私は、ただ。

貴方の斜め後ろをひっそりとついていけたらいい。

 

望みはそれだけ。

 

  

END

作者コメンツ  
アイ→ロイな感じかも。題名の意味は「忠誠」(インフォシークより/笑)
実際2人の関係はもっと複雑なもので、けれどひどく単純なものかもしれないと思っていたりしますが、とりあえずは。
マスタングに対するリザさんの想いはこんな感じでお願い致します。