| ウィッシュ | |
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言われた意味が一瞬分からなかったのは、俺が愚鈍だからではない。
「君のその長い髪が暑苦しくて適わないのだが、どうにかしてくれんかね。」
上官にあたる人間はにこりともせずに、真剣そのものといった風情でそんなことをほざきやがった。
「なんつーか髪にまで文句言われたくねぇ?」 「言われたくなければ切りなさい。何なら今ここで私が切っても構わないのだよ。」 「や、そういうことじゃなくて。」
愛用のデスクの引き出しから鋏まで持ち出した大佐の顔には冗談という字は浮かんでいない。
本気の目だ。 「あのねぇ、大佐様?今は夏で、暑いのは当たり前で、更に言えば俺の髪はずいぶん前からこの長さなの!今更とやかくと言われたくねぇ上に、暑いからって八つ当りすんな!」 だん!
「あーその表情も暑苦しいよ。やめたまえ、鋼の。」
心底うんざりと言った大佐は、俺には目もくれずにのったりと立ち上がった。
何ですか、この大人!
窓の外を大して興味なさげに見やって、ふぁ、と欠伸をしている姿は、どう考えても人間兵器として戦場を駆けたと言われる人物とは思えない。 理不尽な命令を聞かなくてはならない道理は、少なくとも俺の方にはないはずだ。上官命令と言われてしまえば、少し面倒なことになるが。 「何でも自分の思う通りになると思ったら大間違いだ、クソ大佐!俺は絶対切らねぇぞ!」 もう一度、デスクを思い切り叩く。 「…良いけどね。言ってみたかっただけだから。」
くあー!どこまでむかつく大人なんだコイツは!
デスクを引っ繰り返してやりたい衝動に駆られるが、今ここでそれをやったら負けのような気がして、ぐっと堪える。
「次に会うときは、そのみつあみがなくなっていることを願うよ。」
ふうわりと笑った大佐の声には慈愛が溢れんばかり。
「言われなくても!」 照れ隠しもあったのかもしれない。
END |
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| 作者コメンツ | |
| エドロイと言い張るのも無理な気がしてエド+ロイ。 理不尽な要求をしているマスタングが書きたかっただけのシロモノ…だって、暑いんだ(爆) エドのみつあみは願掛けと捉えましたが、如何か。でも現実主義者だからそんなことしないかもなァ。 |
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